図3.17 ハニカムパネル
船舶の場合には、接着ハニカムパネルを内装や艤装の一部に使用された例はあるが、未だ一般的な部材として普及はされてない。また、世界で初めて船体にろう付けハニカムパネル構造を採用した平成4年建造の双胴型赤潮調査船「のじぎく?Z」16)は、使用材質の関係から特認船である。いずれにしても、軽量化の見地から構造部材としてハニカムパネルの採用は、時間の問題といえよう。例えば、上部構造に使用する場合を考えてみる。
甲板の厚さを3mm、防撓材として50×35×4mmのアングルを300mmピッチで送付けした縦骨式パネルで、横に同寸法の横骨が600mmスペースで入っている場合、このパネルの重量は12.29kgf/m2である。これをパネル高さ50mm、上下面板の厚さをそれぞれ1mm、コア材は高さ48mmで厚み0.1mm、セルサイズを10mmとしたハニカムパネルにすれば、重量は8.78kgf/m2となり、29%の重量減となる。尤も継手等に後述するような端末処理を必要とするから、ここまでの重量軽減は期待できない。この場合の断面性能の比較は表3.23のようになり17)、ハニカムパネル構造の方が重量は軽くなって、しかも、強度、剛性ともに優れていることが分かる。さらに、防撓材を溶
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